この原稿は2011年6月時点のものです。
キリンホールディングス株式会社 代表取締役社長 三宅 占二 氏

内永 2007年、御社がホールディングス化された頃に「ビールというコアのビジネスは大事だけれど、生活の多様化にあわせてバランスをとるという観点から、社名からビールをはずし、キリンホールディングスにした」とお話を伺いました。そしてグローバル化を非常に大きくとらえていらっしゃいましたね。
三宅
まさにその頃から、国際化に舵を切りました。2006年に「キリン・グループ・ビジョン2015」と名付けた長期経営構想を発表したのですが、その中で2015年における到達目標として、売上高の海外比率を30%としています。正直言うと、私は当時「ホントかよ」と思いましたよ(笑)
けれども、そうやって思いきって舵をとるビジョンを出したことで、翌年にはオーストラリアのナショナルフーズ社を買収するなど、一気に流れができていきました。ホールディングス化したことで思いきった投資ができた。会社を変えるという意味で、意義のあることだったと思います。
内永 よく「海外の会社を買ったはいいけれど、そのあとが非常に難しい」という話しも聞きますが……。
三宅
うちが上手くいっているかどうかはわかりませんが、海外と日本では価値観が違うということを大事にしています。我々が組む会社は、その国や地域でお客様の支持を得ています。そこと一緒になって、地元の人たちに受けているブランドをブラッシュアップする。そして、我々の持っている商品開発のノウハウですとか、市場リサーチの方法、モノづくりの技術力を入れ、お互いにWin?Winで会社を強くしていこうという発想です。
特に飲み物やお酒というのは、その地域の気候や料理や伝統と強く結びついていますよね。ですからまず、地元の価値観を大事にして、キリンのブランドをのせていく、と考えています。
内永 自社の製品をもっていって海外で売る、という姿勢ではないのですね。違う価値観、違う嗜好を大事にして、なおかつ統一感のある戦略を持っていなければならない。まさにダイバーシティだと思います。
三宅 占二(みやけ せんじ)
キリンホールディングス株式会社 代表取締役社長
1948年東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、70年キリンビール(株)に入社。営業畑を一貫して歩き、93年 ハイネケン・ジャパン株式会社取締役副社長02年取締役酒類営業本部東海地区本部長、04年常務執行役員酒類営業本部首都圏地区本部長。07年キリンビール(株)代表取締役社長。09年にキリンホールディングス(株)代表取締役副社長となり、10年3月より代表取締役社長に。

内永 ゆか子(うちなが ゆかこ)
NPO法人J-Win 理事長
1946年香川県生まれ。東京大学卒業後、71年日本IBM入社。95年取締役就任。2000年常務取締役ソフトウエア開発研究所長。04年取締役専務執行役員。07年4月NPO法人J-Winを立ち上げ、理事長に。08年4月ベネッセホールディングス取締役副社長、並びにベルリッツインターナショナル会長兼社長兼CEOに就任。
