キャタピラージャパン株式会社 取締役社長平野昭一氏

内永
御社は2008年にJ.Winに入会し、協賛会社になっていただきました。ありがとうございます。
御社は、三菱重工業とキャタピラー社が50%ずつ出資のジョイントベンチャーである「新キャタピラー三菱」から、キャタピラー社が3分の2をもつ「キャタピラージャパン」へと2008年に変わられました。以来、女性の採用をグンと増やしていらっしゃるようですが、会社が変わったことがきっかけで、ダイバーシティに力を入れられるようになったのでしょうか?
平野 確かに、ある意味できっかけにはなりました。けれど、女性を活用したい気持ちは、以前から持っていました。実は15,6年前、私が製造部長をしていたときに、初めて高校卒業女子を10人ぐらい採用したんですよ。
内永 それは、何かきっかけがあったんですか?
平野 当時、社員の家族に「お父さんが働いているところを見てもらう」という機会がありました。そのときにいらした社員の奥さんたちと話をしたところ、非常に面白い。我々と観点が違うんです。それで、本格的に女性に現場に入ってもらおうと思いました。

内永 実際に採用されてみて、いかがでしたか?
平野
製造現場では、女性は体力面で男性と同じようにはいきません。が、それ以外の違うもの、女性ならではの素晴らしい感性を持っていました。たとえば匂いですね。非常に敏感で「こんな匂いの中で、よく仕事できますね」と言われました(笑)
それから、製造現場は安全が最優先なので、ヘルメットや安全靴の着用を義務づけているのですが、女性社員は「ヘルメットは蒸れるから、長い時間かぶっていられない」と言う。これがただの文句とは違いました。説得力があって「なるほどな」と感じさせられるのですね。 安全靴も、女性社員に言わせると「これは重すぎる。8時間も履いていたら大変だ」と。「何とか部長さん考えてください」と言われましてね。そこで探したら、軽くて丈夫なものがありました。安全は最重要ですが、必要以上に重装備であることはない。これからは安全を保ちながら動きやすいよう、軽装備にしていかなければと考えが変わりました。
このほかにも、私が慣れてしまって疑問ももっていないところに、いろいろ問題があると気づかされました。
内永 女性のように、どちらかというとアウトサイダーの人たちをうまく活用すると、気がつかなかった点が見えてくるんですね。
平野 女性の感性は男性とは違うと痛感しました。そのときは、何百人といる社員の中に10人程度の女性社員が散っていったのですが、それだけで非常にいい変化が起きました。製造現場にとってありがたかったですね。
内永 同じ製造現場でも、違う価値観や感性、違う経験から見ると、新しいアイディアや発想がたくさんでてきたということですね。
