
Q) 苦手とおっしゃるマネジメントの仕事や、キャリアアップすることについてはどのように感じていますか?
A) マネジメントには「これが正解」というのはないので、何年取り組んでいても、すごく難しいですね。
じつは弊社には、管理職に対してサーベイが入るのですが、本人の意識調査だけでなく、周囲からの評価査定も行われます。その結果を見ると、自分は調子良くやっているつもりでも、評価がよくなかったり、逆に苦しいなと思っている時は評価が良かったりして、自分の認識と周囲の認識に微妙なズレがあることが分かります。メンバーの組み合わせによっても変わってきます。組織って生き物なのだなと思いましたね。
内永理事長もご講演でおっしゃっていましたが、マネジメント──組織を動かす仕事は、やってみるとそこで自分に関する再発見も多い、取り組む価値は十分にあります。自分の技術を磨くことに熱心でも、かつての私のようにマネジメントはやりたくないという女性は多い。ただ、長く働こうと思えば避けては通れない道なんだと、ある程度は覚悟しておいたほうがいいでしょうね。これはまだ部下がいない立場の人へのアドバイスです。
弊社の現状を見ても、毎年数十名のママたちが育児休業から戻ってくる、それだけの環境は整っています。それでも、社員比率の60%が女性であるにも関わらず女性管理職は34%です。女性はたしかに育児や介護など家族の問題を抱えがちですが、人生の優先順位や周囲のサポート環境、本人の性格など、状況は人それぞれちがいます。同じ子育て中のママでも、周囲のサポートが十分ではないので今は時短で働きたいという人もいれば、仕事を優先したいので、ほかの社員とまったく同じように仕事を担当させてください、という人もいます。会社はサポートをワンパターンで考えてはいけないと思います。こういう人の中からも長期的に人を育てて管理職を輩出していきたい。これはマネジメントを行う立場にある者にとって重要な課題だと思っています。

Q) 今後の目標、夢について伺えますか?
A) 最近、アメリカの教育研究機関を訪ね、女性の研究者なのですが、その方とお話しできたことが印象に残っています。アメリカに比べれば、人種や宗教や考え方も均質といえる日本における教育と、よりダイバースな状態にあるアメリカで行われている教育は、やはり違うのです。そのため、研究の前提やコンセプトも違う。けれども日本も大きく変化しようとしていて、これから海外との連携が重要なのは明らかで、アメリカだけでなく、さまざまな国・地域の研究機関とのネットワークは欠かせないと感じました。研修合宿で女性メンバーのみなさんとディスカッションをする機会を得ましたが、すでにグローバル化の渦中にいらっしゃる方も少なくありませんでした。弊社も海外進出は始めていて、通信教育部門は中国でも伸びてきています。国際的なネットワークを広げその絆を強めて、どんなに世の中が変わっても対応できる研究所にしていかなくてはと、考えています。
そして、先ほども高校生の学習意欲が低下傾向にあるとお話しましたが、若い人たちは若い人たちなりに、この変化の激しい社会のなかで、どう生きていけばいいのかと考えています。その気持ちをうまく掘り起こして、学習動機に結び付けていきたい。研究所の職員としてだけではなく、1人の大人として方向性を示すことができれば、と考えています。
個人的な夢についてですが、会社とか肩書きとか年齢を超えて社会に関わり貢献していける、必要とされる能力を持つ人間になることです。身近にいる顧問の先生方がモデルです。今の自分の能力からすると、道のりは遠く、とてもとても及ばないのですが・・・。つまり、自分の中にゆるぎないダイバーシティを育てあげることだと思っています。それが、私にとっての「Women to the Top!」ですね。
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